本文表示 検索語の位置
総件数:3件 通し番号:1
発行日 | =2002年03月22日 | ソース | =夕刊 |
面 名 | =2社会 | ページ | =018 |
発行社 | =東京 | 文字数 | =618 |
コンピューター犯罪の防止は、まず内部対策から――。社内の重要情報の漏えいやデータ改ざんなど、パソコンを使った内部犯行を防ぐシステムを神奈川県座間市のベンチャー企業が開発した。キーボードの入力速度や癖などを社員ごとにデータベース化し、実行者を特定するものだ。開発企業は「十分な抑止力になるはず」と自信を見せている。
不正アクセスやセキュリティー犯罪は内部の人間が起こす例が多い。米国では「約9割が内部犯行だった」とする報告書を、大手セキュリティー会社が出している。日本では、銀行や百貨店の顧客資料、人材派遣会社の個人データが社員などから流出する被害が起きている。
今回、開発したのは「サイエンスパーク」。個々人で異なるキーボードの打ち方のリズムや癖に着目。例えば、「ネコ踏んじゃった」と打った場合、それぞれのキーとキーを打つ時間差を測定。そのほか、「ん」を出す時、「N」をたたく回数が1回か2回か、「ふ」は、「F、U」か、「H、U」かなどを認識させる。
社員が他人のパスワードでデータにアクセスしようとしても、癖などから実行者を特定。一定の割合以上で入力の特徴が一致した場合、監視サーバーから強制的にキーボードやマウスを使えなくする仕組みだ。
現在国内の一社で試験運用しており、販売はこれから。費用は7500万円ほどかかるという。
武藤佳恭・慶応大学教授は「秘密情報を守るためには、性悪説に立って、システムを構築すべきだ」と話している。